個人情報ほご自治会

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業者側の判断基準=プロバイダ責任制限法ガイドライン

 ネット広告で収益を得るタイプの業者は、基本的にアクセス数が多いほどお金になるビジネスモデルですから、話題性のあるコンテンツはできるだけ削除したくないのではないかと思っています。「あれが削除されるのに、なんでこれはされないの?」現象が良く発生する理由のひとつです。例え悪意のある内容・誰かにとって非常に迷惑な内容であっても、批判の矛先が業者に向かない限りは業者にとって良コンテンツなのです。そのため、明確に違法なものは別ですが、グレーなものは基本的に申し立てが無い限りは自主的に削除対応することはない、と私は考えています。ですので意見を出すのは本当に大切です。

 ではグレーなものに対しする業者側の言い分というか削除の判断は、何を基準にしているのでしょうか。当然法律(プロバイダ責任制限法)でしょうし、各社が公表している規約です。これらに違反していると業者が判断すれば、削除されます。しかし、それらの解釈は案外曖昧だったりします。曖昧なうえ、「ここはこういう理由で抵触している」「過去の事例はこうだった」などと業者側が細かく説明してくれることは大抵ありません。削除される場合もされない場合も、ざっくりしたテンプレ回答が来て終わりです。裁判にでもなれば別ですが・・・

 ですのできちんと申し立て側が、「規約のココに抵触している」とか「ガイドラインのこの記載に該当する事例だ」などど説明を付けて削除を要請することは解決への近道だと思います。感情的になり強い言葉で怒りをぶつけても効果は低いと思います。

 

プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会」がリリースしている、「名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」というものがあります。pdfファイルのURLは以下です。

 

http://www.telesa.or.jp/ftp-content/consortium/provider/pdf/provider_mguideline_20180330.pdf

 

 これはサービス提供者側の判断指標となるものです。消費者側も、こういう資料をしっかりと読んで知っておくことは有益だと思います。以下、重要なところを抜粋しておきます。

 

II-2-3 氏名・連絡先等の情報への対応
(1) 氏名・連絡先等の情報の特徴
氏名、住所、電話番号等の連絡先情報は、個人を識別する基本情報であり、情報の性質上は秘匿性の強い情報ではないと解されがちであるが、これが一般に開示されることにより、とりわけインターネット上開示されるときには、見知らぬ第三者からのアクセスを容易にし、私生活上の平穏を害されるおそれがあるため、現在では、一般私人にとって公開されたくない情報となっている。

(2) 一般私人の場合
一般私人の氏名、連絡先等の情報への送信防止措置の要請を受けたときは、次のような対応を行うことが考えられる。
① 氏名及び勤務先・自宅の住所・電話番号が掲載された場合は、当該情報を利用して私生活の平穏を害する嫌がらせが行われるおそれが高いため、プロバイダ等が削除可能な場合は、原則として削除することができる(なお、電話番号として記載されたものが誤っていて他人の電話番号が記載されている場合は、迷惑行為であることから、削除要請があれば、原則として削除する。)。
② 氏名及び勤務先・自宅の住所・電話番号が名簿等の集合した形態で記載している場合も、原則として削除することができる。
③ ネット上でハンドルネームのみで行動している場合(氏名又は連絡先を公表していない場合)において、氏名を開示する情報が記載されたときも、原則として削除することができる。
④ 公表されていない電子メールアドレスを開示する情報が記載された場合も、原則として削除することができる。