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水平展開すべき④⇒インターネット上の海賊版に対する 総合的な対策メニュー及び工程表について

  「知的財産戦略本部」が2019年10月18日に発表した「インターネット上の海賊版に対する 総合的な対策メニュー及び工程表」では「検索サイト対策」も取り上げられています。これは当然Googleを想定したものです。文部科学省が担当省で、内容は「海賊版サイトの検索結果からの削除・表示抑制に関し、著作権者等と検索事業者との協議を推進する」とあります。業界団体は行政の後ろ盾を得てGoogleと協議し要請できるようになったというわけです。そして資料の6P目にある個別の工程表には以下の記述があります。資料をよく読むと、Googleの対応方針が見えてきました。ちょっと長いですがGoogle検索削除に困っている方に役立つ情報ですので、最後までご覧いただきたいと思います。

 

これまでの進捗・効果

⽂化審議会著作権分科会法制・基本問題⼩委員会において検討を進め、2019年2⽉に「⽂化審議会著作権分科会報告書」をとりまとめ
・報告書では、権利者団体及びインターネット情報検索サービス事業者との間で協議が⾏われるとともに、⽂化審議会著作権分科会としてはまずは当事者間の取組みの状況を⾒守ることとし、必要に応じて対応を検討していくこととされた。

2019年度の実施予定

⽂化審議会において協議の進捗状況について報告を聴取し、今後の対応を検討。

 

この工程表が発表されたのが2019年10月で、現在2020年1月ですから、対してまだ進んでなさそうな雰囲気です。まずは2019年2月の「⽂化審議会著作権分科会報告書」を確認してみたいと思います。資料は以下です。

 

文化審議会著作権分科会報告書の公表について | 文化庁

まず、2P目の最後に「後述するインターネット情報検索サービスへの対応も挙げられている」となっており、それが11P目です。ここに、非常に重要なことがたくさん書かれていますので少し抜粋します。

 

法制・基本問題小委員会では,同サービスを巡る実態と課題について,これまで
数度にわたって権利者及びインターネット情報検索サービス事業者からヒアリングを行ってきた

 

・Googleはウェブ上にある60兆以上のページを瞬時に検索することをやっており,中立的な立場で情報を届けることがミッションの一つ。しかし,著作権を侵害する情報を届けたいと思っているわけではないので,著作権侵害については権利者の方々と一緒に戦わせてもらっている。←一言物申したくなるコメントですが、まあスルーします。

 

・デジタルミレニアム著作権法(以下,「DMCA」という。)に基づき,侵害コンテンツに係るリンク情報について権利者から所定のフォームによるリクエストを受けて削除を行っている。5億5,800万のユーザーからのリクエストに対応して98%以上を削除しており,残りの2%は申立ての不備等を理由とするもの。リクエストがあってから平均で6時間以内に対応している。

 

・DMCAの削除通知を検索結果のランキングを評価するアルゴリズムに活用して,悪意のあるサイトを検索結果上で降格するシグナルとして利用している。降格シグナルが働くと当該サイトは検索のトップページには表示されなくなるため,過去の経験ではトラフィックは平均で89%減少する。

 

他にもたくさん参考になる情報が書かれていますので、ぜひじっくり読んでいただきたいです。ここまでGoogleが公開していたとは、私はまったく知りませんでした。

 

 なお、2019年9月18日にも「文化審議会著作権分科会」は検索サービスに関して会議を行っています。

第19期文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会(第2回)の開催について | 文化庁

上記議事に「(2)インターネット情報検索サービスにおける侵害コンテンツの表示抑制について」とあります。この資料は探していますが公表されていないようです。