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Google・・・

弁護士ドットコムの記事に、Googleマップに悪評を書かれてGoogle相手に訴訟し仮処分を取ったものの、記録が無いと回答されたという記事が載っていました。以下です。

www.bengo4.com

 

 

時系列をざっくりまとめますと、

 

・悪評が書き込まれる

・書き込みから2か月以内:Googleに仮処分申請

・書き込みから4カ月以内:Googleに開示命令

・書き込みから5カ月以内:Googleより「IP情報無し」と回答

 

となっていました。記事では「原因不明でIPアドレスが消失していた」とあり、細かい状況までわかりませんが、開示命令が出た時点で書き込みから3か月は経過しています。GoogleのIPアドレス保有期限を過ぎてしまった可能性は一応ありますが、記事ではその点の記述がないため不明です。「原因不明で」と書いてあるので、一般的にはGoogleはもっと長い期間保有しているのだろうとは推測できますが・・・。

 

記事にもあるように、ログの保存期間を定めた法令は現在ありません。色々と記述があるのは「プロバイダ責任制現法」の「ガイドライン」であって、あくまで業者側が自主的に保存しているに過ぎません。ちなみに、詳しくは以下のリンクに記載がありますが、まさにこの記事の問題にも関わる部分が今改訂されようとしています。

 

プロバイダ責任制限法関連情報Webサイト

 

<改訂箇所>

プロバイダ等が訴訟提起されたときに、保全要請に応じて定めた発信者情報保全義務の期間経過後も引き続き保全義務が継続する旨を追加することとする。

 

ということで、訴訟を起こされた時点でログがあるならば、裁判が白黒着くまではきちんと保全してください、という内容にガイドラインは改訂される見込みです。被害者側にとっては一歩前進です。ただ結局は、なるべく早期に訴訟しないとログが消えてしまう可能性がある点に変わりはなく、ログ保全の義務化と長期限化を法で定めることはそろそろ必要なのでは?と思いますが。なお多くの場合、訴訟段階でIPアドレスログが無いことがわかれば、業者側は教えてくれるようです(業者側にとっても時間の無駄といえる訴訟になりますし)。前記のGoogleみたいな酷い対応は、少なくとも国内業者に関しては少ないのだと思います。

Googleに対しては思う所が色々あるわけですが、Googleの側からしてみたら、今の機械的な対応が企業利益を最大化できるのだ、ということなんでしょうかね。もしそうならば、我々消費者がもっと声をあげて「対応しないならば今後は別のサービスを選びます」と明確にしていくことが必要なのでしょう。