個人情報ほご自治会

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第十六条の二

コロナウイルスのせいか、なかなか進展がない個人情報保護法の改正審議。いい加減来週くらいには委員会審議を始めて欲しいですね。改正案が成立しても、すぐに施行されるわけではないでしょうから・・・

 

「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」

第十六条の二 個人情報取扱事業者は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。

 

ここは、大綱のときに「個人情報取扱事業者は、適正とは認めがたい方法による、個人情報の利用を行ってはならない旨を明確化する」としていた部分に該当します。適正とは認めがたい方法(による個人情報利用)=違法又は不当な行為、ということですね。違法は当然違法ですから問題外であって、「不当な行為」というものが鍵になるでしょう。この単語にどれだけ有効性を持たせることができるか、です。このあたりについては、全銀協も大綱のときの意見書で以下のように触れています。13ページ。

 

https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/opinion/opinion320114.pdf

 

「違法な詐欺的商法のターゲットを探すために個人情報を分析する場合や、特段の合理的理由なく破産者や前科保有者を広く公開するようなケースがこれに当たるということか。」

 

運営側がいかにしらばっくれようとしても、世間的には上記のような個人情報の使用や晒しサイトの運営行為は、少なくともすでに「不当不法な行為である」と一般的に認定されております。私は現行法下でも違法だと思っていますが、単にまだ判例が無いだけです。しかしこの改正案の一文で、果たしてこのような行為を不当であると「明確化」できたのか?についてはちょっと疑問が残ります。あまりに広範囲(おおざっぱ)ですからね。ですが、明確化についてはガイドラインで具体的な例を出すことで行われると思います。

 

また、第四章第一節の節名中「個人情報取扱事業者」が「個人情報取扱事業者」に改められます。これがどういう意味なのか?事業者以外にも適用されうるということなのか?意図としては恐らくは不法行為をする輩に対処するためにぶち込んで来たのだと考えます。具体的な例は、こちらもやはりガイドラインで示されるのではないかと思います。

 

このあたりも、国会審議の中でしっかり議論して欲しいところです。