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高さ

聞いた話として書きます。まあ具体的なことは一切書けないので風説と思って読んでください。

 

とある製造業の会社は、将来を見据えた設備投資を今年以降に沢山予定していました。競争に打ち勝つための戦略として研究開発費への割り振りを高め、それに関わる人員数も厚くしていく計画でした。

 

それが現在、コロナの影響で全部白紙になっています。契約直前まで進んでいた案件も、トップダウンで一律中止。中期的な設備投資も年単位で全部先送りになりました。

 

今日もその会社の工場はなんとか稼働していて、働いている人も普通に出社しています。しかし自覚症状はなくとも、内面では深刻な影響が出ています。研究開発の遅れは将来的な会社の競争力喪失に繋がります。例えば、革新的・画期的な製品を設計できても、最新の設備がなければ絵にかいた餅です。精度が出ない古い設備ではどうやっても製品化できない、なんてことも普通にあるわけです。

 

観光業や飲食店のように即影響がないから大丈夫ってことは全くなく、製造業は単に遅れて影響が出てきます。いろんな業界が等しくダメージは受けることになるんでしょう、タイミングがずれるだけで。例えばyoutubeやネット広告も単価が今後急激に下がるでしょう。地震のP波とS波みたいなもんでしょうか?緊急地震速報が届きまくっている(いた)状態ですね。まあ直接的な影響が出始めるまでの時間が稼げる分、多少なりとも防衛策が打てますから、遅れて影響が出る業種のほうが幾分はマシだとは思います。ですが回復局面でも遅れてしまいますからね・・・例えば観光業は、観光資源が健在で、かつ客が戻ればすぐに回復するでしょう(まあ戻らない懸念も大きいですし、そもそも戻るまで体力が持つのかという問題もありますが・・・)。一方で、例えば製造業の技術開発には絶対的に予算と時間(設備と人員も)が必要です。それを先送りした影響は、必ず中長期に渡って影響が出ます。倉庫に積みあがった旧製品は、会計上は資産でも実質的には負債に他なりません。工業製品にだって賞味期限が存在する物があります。旧型の価格低下が急速な商品は、賞味期限があるようなもんです。二束三文で叩き売りできないとなると最終的には処分することになりますが、それにも費用がかかります。

 

先が見えないという意味では、今は世界的にどの業種も似たような状況なのかもしれません。ですが今後国単位で回復の早い国と遅い国が出てくるでしょうし、これをある種のビジネスチャンスとみて賭けに出る企業も存在するでしょう。大手有利の体力勝負・持久戦になるのか、それとも博打に勝った会社が総取りしてしまうのか・・・数年先?のコロナ問題からの回復局面で、自分の居場所を今と同じ位置や高さに保つことができるんでしょうか。しんどいですなぁ。個の準備や対処でどうにかなるレベルで済んでくれたらいいのですが、そんなもんではどうにもならないような気がします。自己責任だーっていっても、全部繋がってますからね。余裕こいてても思わぬ形で影響でると思います。

逆に言えば個々の小さな努力が繋がって、全体が劇的に良くなるなんてこともあるかもしれません。なにがなんだかもうよくわかりませんが、そういう希望は常に持って、自分にできる範囲で必死に頑張っていきたいです。