個人情報ほご自治会

インターネット初心者が、ネットに溢れる悪意と戦う為の知恵を共有する場所

5/22_衆議院内閣委員会質疑まとめ_⑤

5/22「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」の「内閣委員会」質疑のまとめの続きです。今更感はありますが、途中になっていたので。ちなみに内閣委員会ニュースはこちら

 

⑤大河原議員(立憲民主党)

Q:個人情報保護の基本的考え方について。個人情報保護法で保護される個人情報とは、個人に関わるあらゆる情報が対象になっているのか?個人情報保護法で保護される個人情報保護の範囲や在り方、今後の方向性について伺いたい。

A:個人に関する情報のうち、生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別できるものを個人情報と定義し、保護の対象としている。今回の改正法案では、引き続き3年毎の見直し規定を設けており、個人情報保護の範囲や在り方も含めて、適時適切に見直しを行い、技術革新も踏まえた個人情報の有用性への配慮と、個人の権利利益の保護のバランスを図っていきたい。

 

Q:改正法では、事業者の負担も考慮しながら、保有個人データに関する本人の関与を強化する措置が講じられるとされている。現在、個人の権利利益の侵害状況があるわけだが、これをどのように捉えているか?また今後利活用と権利侵害のバランスをどう取っていくのか。また、個人の人権の尊重について、現在の個人情報保護の考え方で十分なのか?課題は何か?

A:個人情報保護委員会では今回の見直しにあたって、個人情報保護をめぐる国内外の政策・技術・産業等の状況についての実態把握やヒアリング等通じて検討を進めてきた。また委員会に設置している相談窓口や、全国各地で実施したタウンミーティングでの消費者の意見、二回行った意見募集を踏まえて検討を深めた。技術動向にも対応しつつ、個人の権利利益の保護にもしっかり目配せした内容である。社会変化については3年毎の見直しで対応する。

⇒タウンミーティングについて、1か所あたり5~8人程度しか参加していない。これでしっかりやれたと言えるのか?

 

Q:EUのGDPRでは、自己に関する個人データの消去を得る権利、いわゆる「忘れられる権利」がある。一方で今回の法改正案ではこれは盛り込まれていない。日本はこの権利について今後どのようにすべきと考えているのか?プライバシー権や表現の自由との関係も含めた考え方、及び現在の検討状況を伺いたい。さらに、個人情報の利用停止について、「本人の権利利益が害される恐れがある場合」というのは具体的にどのような場合をいうのか?

A:「本人の権利利益が害される恐れがある場合」とは、例えば本人の意思に反して、事業者がダイレクトメールを繰り返し送付している場合が考えられる。また、忘れられる権利については、その定義はさまざまであるが、利用停止・消去等の請求権の拡充により、相当程度個人からの要請に沿うものとなっている。今後もプライバシー権や表現の自由等の権利も含め、個人情報を取り巻く状況を注視していく。

 

以上です。端末識別子の話はここでは省略します。

 

さて、「忘れられる権利」に関する質疑がありました。委員会は今回の法改正での「利用停止・消去等の請求権の拡充」によって、ある程度この権利に対応できると考えているようです。しかしながら、これでは全く不十分と個人的には思います。例えばGoogle等のサーチエンジンの検索結果削除に対して、この内容で対応できるのでしょうか。「本人の権利利益が害される恐れがある場合」に含められるのか?具体例としてダイレクトメールの話が出ましたが・・・「我々がサイトを運営しているわけではない」として削除対応を拒否することが多いサーチエンジンですから、そう簡単にはいかないように思います。ここは実態をきちんと調査して、どうするべきか・どうあるべきかの議論を深め対応策を練って欲しいです。