個人情報ほご自治会

インターネット初心者が、ネットに溢れる悪意と戦う為の知恵を共有する場所

尼崎の個人データ紛失

紛失したことも問題ですが、その後の対応がまた最悪ですね。紛失データには、あまり他人に知られたくない情報も含まれているようですし。マップのことを他人事だと思っている人達がこの事件を知って、ちょっとでも「この手の事件の被害って、いつ自分の身に降りかかるかわからないんだな」と思ってくれたら良いのですが。

現代社会では個人情報をどこかに提供せずに生活するのは困難です。そもそも提供した覚えがなくとも、行政には強制的に所有されており、今回みたいな杜撰な管理をされて漏れ出す可能性だってあるのです。行政は「被害は確認されていない」とすぐ言っちゃうんですが、本当に怖いのはもっと先。データの紐付けです。

例えば「名前+住所」のデータは「住所+性別+年齢」のデータと紐付けできます。さらに「住所+買ったもの+カード番号」に紐付け・・・と、パズルのピースのように組み立てられる可能性があるのです。被害者は将来いつ爆発するかわからない不発弾・地雷をばら撒かれてしまったようなものです。

デジタルデータの場合、現物の地雷と違って一度ばら撒かれたら、後から完全に除去するのはおそらく不可能です。ですが、今後爆発しにくくすることはできます。住所が洩れたら、引っ越す。ネットに個人情報を載せない、あるいは適当に嘘を書く。名前を変えるのは難しいですが、結婚や離婚、養子縁組などで姓を変えることはできるでしょう。何か起こった時用に、録音や録画する機材を常備するのも良いでしょう。

大きく物事を解決に動かせるような手段が見つからず、何もできない、こんなことしかできないと不安になる場合もあると思います。建物全体が燃えそうなのに、手にはコップ1杯の水しかない・・・と。ですが、その1杯が将来の大爆発を防ぐ鍵になる可能性もあるのではないでしょうか。未来のことはわからない、だから今できることを考えて、それを無感情で黙々と淡々とやり続ける。それで良いと思います。残った感情とリソースは、もっと楽しいことに使いましょう