個人情報ほご自治会

インターネット初心者が、ネットに溢れる悪意と戦う為の知恵を共有する場所

インターネットホットラインセンターの機能役割

IHC - インターネット・ホットラインセンターは、ネット上で見つけた違法有害情報を気軽に通報できるサイトです。ここでは過去の通報から検挙に至った事例を紹介しています。

 

検挙事例

http://www.internethotline.jp/pages/arrest/index

 

 上記では主に「わいせつ関連」「薬物関連」「振り込め詐欺等関連」3つのジャンルの犯罪が公開されています。逆に言えば、IHCではその3つの犯罪に重きを置いている、という見方もできると思います。発表されている統計情報からも、それは読み取れます。

 

統計情報

http://www.internethotline.jp/pages/statistics/index

 

 令和元年上半期の通報件数は「106585件」、うち「①違法情報とIHCが判断した情報」は「8993件」です。つまり、10%にも満たないのです。この違法情報と判定されたものは警察へ情報提供され、捜査が行われるのだと推測しますが、この8993件の内訳も全て公開されています。その中には、上に書いたような3つの犯罪が含まれています。というか、ほぼそれしか含まれていません。違法情報の中には「個人情報保護法」や「名誉棄損」、「プライバシー権の侵害」、あるいは「威力業務妨害」ですら存在していないことがわかります。

 

 では、そういった情報はどうなっているのでしょうか?「IHCが違法情報と判断しなかった」ものは、2つに分類されています。

 

 1つ目が、「②公序良俗に反する情報(有害情報)」です。自殺誘因や犯罪勧誘はこれに含まれるようです。この中にさらに「違法情報該当性が明らかであると判断することは困難であるが、その疑いが相当程度ある情報」という分類があります。個人情報保護法違反関連は、ここに分類されている可能性はあります。ここの分類に入れられた情報も、警察へは参考情報かもしれませんが提供されていると考えます。

 

 もう1つの分類が、「③分析の結果、運用ガイドライン対象外と判断した通報」です。IHCへの通報のうち9割以上がここに含まれてしまいます。この分類の中に、ようやく「名誉棄損・誹謗中傷」が出てきます。件数は思っていたより少なくて、「1601件」、全体のわずか1.7%でした。この対象外となった通報がどうなるのかは非公開ですが、それなりにきちんと処理はされているとは思います。ですが、ここに分類されてしまうと迅速かつ有効な対応は期待できないと思います。もちろん無駄とは全く思いませんが、「IHCへ通報しておいたから適切に処理してくれる。もう大丈夫だろう」などとはとても思えないのが現実です。

 

 IHCの通報フォームはわずか400文字しか入力できませんので、限られた文字数ではその違法性、有害性を十分に説明しきれない、という問題はあるように思います。通報された方ならわかると思いますが、せめて1000文字は欲しい、と感じるのではないでしょうか。IHCのガイドラインを改正させる働きかけも今後を考えると必要かもです。

 そして今起きている事件を解決するには警察を動かすことが絶対に必要です。本丸でなくとも周辺で遊んでいるyoutuberやまとめブロガー等の見せしめ逮捕ができれば、多少の抑制効果も期待できるでしょう。IHCだけでなく警察への通報相談・告訴数を増やして捜査体制を強化させることは、我々が今力を注ぐべき一つの対策であると考えます。