個人情報ほご自治会

インターネット初心者が、ネットに溢れる悪意と戦う為の知恵を共有する場所

インターネット・ホットラインセンターの運用状況(5/21発表)

ネットを通じて気楽に?通報できる「インターネット・ホットラインセンター」ですが、昨年の統計データを公開しておりました。といっても公表はずいぶん前の話で、見落としていたのですが・・・。なんとなくネット犯罪って右肩上がりに増えているような気がしてしまうのですが(私だけ?)、実際はどうでしょうか。以下をご覧ください。

 

www.internethotline.jp

資料はこちらです。↓

http://www.internethotline.jp/pdf/statistics/2019.pdf

 

まず通報受理件数。2019年1~12月の1年間における通報受理件数は約23万件。2018年は約53万件、2017年は約59万件でしたから大幅減です。2019年までは概ね増加傾向でしたが、ここにきて急減しています。

一方、その通報受理した案件のうち違法情報と判定された件数は約2万6千件(全体の11.4%)。有害情報と判定された件数は約3千5百件(全体の1.5%)でした。合計で約3万件(全体の13%)は問題のある情報だと判定されたということですね。この件数については、2011年以降は基本的に横ばいですね。2016年だけ多いですが。

 

資料のその下には、違法及び有害と判定された情報の内容と件数が詳しく書かれています。これを見るとよくわかるのですが、インターネット・ホットラインセンターではここに分類されている内容以外の情報は、基本的に対処してもらえません。「分析の結果、運用ガイドライン対象外」と判定し他へ転送して終わりです。昨年だと全23万件中20万件、受理した情報の大半(全体の87%)がこの「対象外」に該当しています。ちゃんと情報を適切なところへ転送してくれるなら無駄ではありませんが、最初から自分で適切な所へ通報相談したほうが圧倒的に速いですので、その点はご留意ください。名誉棄損・誹謗中傷はもちろん、殺害・爆破予告ですら対象外です(これはさすがに警察へ転送されているのではないかと思いますが)。

 

さてその下には処理結果が掲載されています。昨年の削除率は高くて91.7%とあります。ここは毎年削除率は高いので、削除対象と判定したものに対してはよく仕事をしていると思います。

 

海外のホットラインセンターとのやり取りも行っており、何故かカナダからの通報が突出して多くなっています(資料6P目)。なんででしょうね?謎。というか日本⇒海外が1360件なのに対して海外⇒日本が3225件。日本はやっぱりインターネット犯罪大国なんだと思います(別の何かの資料でも、日本は甘いという話が出てました。海外からみたら防弾サーバーだそうです)。

 

今後は国を跨いで対応しなければならない案件がどんどん増えていくのだと思います。INHOPEなどを通じ連携を強化していって欲しいですね。