このはしわたるべからずはこの橋渡んなってこと
大昔に一休さんというアニメがありまして(名作です)、よく再放送していたのを見てました。
アニメのオープニングでは、「このはしわたるべからず」と立て看板されている橋の「ど真ん中」をドヤ顔で渡る一休さん、という印象的なシーンがあります。
渡ってるのがど真ん中だから、つまり「はし(端)」じゃないから問題ありませんが何か?という頓知です。
これ。アニメでは桔梗屋っていうおっさんが意地悪でそういう看板を立てていて(だったかな?)、それを頓知で打ち破る一休さんっていう構図だから面白いのであって・・・
現実世界の工事現場で、そんな屁理屈主張しながら立ち入り禁止エリアに入る奴がいたら、普通に怒られるだけです。ドン引きです。わかりにくい書き方すんな?それはまあそうかも。でもほんとはわかってはるんちゃいますのん?
工事現場とか工場の製造現場では、過去にあった深刻な事故事例を分析して、それを守っていれば事故が起きなかったであろう内容を明文化し、新しいルールとして社員に守らせます。
二度と同じ事故を発生させないことが目的です。
ルールを守らせることで効率が落ちる等の弊害も出てくるのですが、それでも社員が事故で怪我したり最悪死ぬよりずっとマシです。
だから社員は皆ルールを遵守するし、会社側はルールを破った社員には懲戒処分をあたえる場合もあったりします。
ルールってのは本来、全部それが出来た理由があった筈なのに。
いつの間にかその理由は忘れられ形骸化していってしまう。
逆にルールには抵触していないんだから問題ないだろ、って反転術式される事例も出てきたりする。
ルールには弊害がつきものですから、隙を突きたくなる気持ちは分からんでは無いのですが・・・ちょいと手順ちがくね?
「違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。」
と個人情報保護法の改正法に追加されたのは、過去にあった不法行為が問題視されていて、二度と同じような事例を発生させない為であったのだと思います。
なのにその趣旨を置き去りにして「これなら大丈夫だろう違法じゃないだろう」って突き進む行為は、やっぱり問題があると感じます。
法って文章だから解釈には高度な知識や専門性が求められる難しいものかもしれませんけど、本来は条文より趣旨のほうが大事なんじゃないのかなぁ。
そんなに法律ぎりぎりでいつも生きていたいと思ったことがないので私にはよくわかりませんが、それで一体何がぶち破れてどんなリアルが手に入るのでしょうか。
さて冒頭の話に戻りまして。「このはしわたるべからず=この橋渡るべからず」なのは良いとして(良しとしてください)。
ほんとに大事なのは何故橋を渡ってはいけないのか、という趣旨。橋が壊れていて危ないからなのか、それとも私有地に立ち入って欲しくないからなのか、何なのか知らんですが看板を立てた理由が必ず存在します。
本当はその理由がまっとうなものだ理解しているのに、敢えて気付かない振りをして、文章をオリジナル解釈して、ルールの隙を突き趣旨に反した行為を行う・・・っていうのは、少なくとも見せられて気分の良いものではないです。わしの好きな一休さんはそういうアニメとちゃうねん。いや「室町破戒僧イッキュウ」的福本漫画なら喜んで読むけど。「悪徳闇奉行ニナガワ」とかも。ざわざわするけど。いや違うそうじゃない。
ましてやその行為が、明確な悪意に基づいていることがバレバレだったら・・・何をか言わんや、です。